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特急「あずさ3号」(千葉→南小谷)に全区間乗ってきた

どうもsyuurokuです。

突然ですが、皆さんは「あずさ3号」をご存知ですか? 元々特急「あずさ」は主に中央本線篠ノ井線を通って新宿駅から松本駅を結ぶ列車なんですが、この「あずさ3号」だけは総武本線の千葉駅から新宿・松本を経由して大糸線に入り、長野県は北の端っこ、南小谷駅まで距離にして341.6km5時間以上もかけて走破するんです! 逆方向の南小谷始発である「あずさ26号」は新宿行きですし、千葉行きとなる「あずさ30号」は松本始発なので、千葉~南小谷間を一気に走り抜けるのは一日一本、この3号だけということになります。

 

しかし

この「あずさ3号」、残念なことに2020/03/14のダイヤ改正で千葉発松本行きに短縮されてしまいます……。なお、南小谷行きが無くなるという訳ではなく、14日からは後続の「あずさ5号」が南小谷行きとなり、引き続き大糸線に乗り入れます。ただしこの5号は新宿始発なので、千葉~南小谷の341.6kmを一本で結ぶ列車は消滅するということになります……。全国でも有数のロングラン運用が失われるのは寂しいものですね。

 

 

それならば

 

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乗るっきゃねえ!!!!!!

という訳で2020/03/01に開催された春M3の翌日に乗ってきました。朝4時起きじゃないと間に合わなかったからマジでしんどかった……。

この日の東京は生憎の雨で分厚い雲が広がる中、まだ陽も昇りきらない時間に総武線の電車に乗り込み、一路千葉へ。僕はこのとき6:21千葉着の電車に乗ったんですが、なんと先行列車のトラブルで遅延。本来17分あった乗り換え時間がほぼ10分になってしまい焦りました。

それでも駅ナカのコンビニで飲み物などを買って「あずさ」の待つホームへ。

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千葉駅の発車標。この表示がここで見られるのはあとわずかです。

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千葉駅停車中のE353系。この画は今後も見られます。

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14日からは「あずさ5号」が南小谷行きになるため、これも見納め

いや~~~~~、カッコいい。特急列車のデザインはどれもスタイリッシュで見ていて飽きませんね。

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E353系の座席はこんな感じ。座面は柔らかくJR東日本ならではの可動枕も備わっており、5時間乗りっぱなしだったにも関わらずそこまで疲れを感じませんでした。

ただ、やっぱり座席未指定券の扱いが分かりづらく、自分の取っていた席に他の人が座っている、なんてことがありました。幸い自分の特急券を見せたところすぐに空けてくれたので事なきを得ましたが、あのランプの色はなかなか不親切なんじゃないかと思ったり……。

 

それはさておき、列車は定刻通りに発車。僕の乗っていた6号車は千葉を出発した時点では10人程度と比較的空いてました。が、船橋錦糸町と停車していく内にどんどん席が埋まって、新宿を発車するころには窓側の席が全部埋まるほどになりました。

そして走っている様子なんですが、千葉を出発してしばらくはそれなりのスピードを出していたものの、錦糸町を発車した辺りから露骨にスピードが落ち、浅草橋や秋葉原を通過する時なんかはホームに立つ人の顔がはっきり見えるほどに。これはこの付近を通過する時間帯が丁度朝の通勤ラッシュ真っ只中で、線路容量ギリギリまで数多くの電車が行き交う中、通常と停車駅の違う特急が割り込んでいるからなんでしょう。場所によってはJR西日本ローカル線の「必殺徐行」並みにゆっくりになったり……。

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御茶ノ水通過後、中央快速線に転線する直前の写真。周りの景色もはっきり写っている。

そして個人的にはちょっと意外だったんですが、新宿駅で降りていく方も複数人見受けられました。これはこの列車ならではの光景と言えるでしょう。確かに千葉県から新宿・渋谷・池袋方面まで通勤する人は、新宿に行くだけでも何度も乗り換える必要がある上どれも非常に混雑していて朝からストレス溜まりまくりでしょうし、お金があるなら都会の喧騒を横目にゆったり通勤したいですよね。ちなみに新宿駅で空いた席にはここで乗り込んできた方で早速埋まってしまいました。

 

ここから先は立川、八王子と中央本線の主要な駅に停車しつつ、一瞬だけ神奈川県を掠めて山梨県へ。高尾を過ぎてこの山越え区間に入ると、ついにE353系の本領発揮。最高時速130km/hかつ空気ばね式の車体傾斜装置付きのこの車両は、カーブの多い線形でもスピードを落とすことなく走り抜けつつ、快適な乗り心地を実感しました。

そして大月に停車し、全長4600mを超える笹子トンネル等の長大トンネルを抜けると

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広大な甲府盆地を上から見下ろすことが出来ます!!!

めちゃくちゃ曇ってますが、もうこの景色はマジで最高。思わず声が出ました。晴れていると南アルプスの山々が見えるらしいです。ただし、割とすぐに高度を下げて市街地に入っちゃうので、写真に収めたい方はご注意を。この後甲府に近づくと富士山も見えるそうなんですが、この曇りようなので残念ながら全く見えず……。

 

甲府で車内の約半分の乗客が降りていき、5時間を要するこの旅も(ようやく)折り返しです。韮崎、小淵沢に停車して小海線と分岐すると、程なくして長野県に突入。長野県最初の停車駅である富士見駅は標高955.2mで、JRの駅の中で10番目に標高の高い駅となっています。ただし、ここを超える9駅はいずれも地方交通線である小海線の駅である為、幹線の駅、もしくは特急停車駅の中では日本一高い駅となります。

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富士見駅駅名標

 ここからは茅野、上諏訪、下諏訪、岡谷とコンスタントに停車(コンスタントどころか上諏訪~岡谷は3駅連続停車)し、10:13塩尻に到着。ここで中央東線と合流し、篠ノ井線に入ります。そして塩尻を出発して10分。

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松本駅到着!

他の「あずさ」はここが終点ですが、「あずさ3号」はここから大糸線に入ってさらに北上していきます。しかし、松本で乗客の大半が下車し、大糸線区間も継続して乗る人はそこまで多くないようです。事実、ここまで12両編成で走って来た「あずさ」はここで後ろ3両を切り離し、9両編成となります。

 

松本を出発してもしばらくは住宅街や畑が広がる平坦な盆地を走っていきますが、豊科、穂高と停車した後、信濃大町を発車すると景色は急変。一気に山奥に入っていき、暖冬の影響なのかここまで全く目にすることの無かった雪も多くなってきます。

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木崎湖、青木湖に沿って列車は走っていく

そして信濃大町~白馬間で注目(?)のスポットと言えば旧ヤナバスキー場前駅。ここは2016年まで冬限定で臨時停車していたもののその後休止となり、2019年3月、正式に廃止された駅なんですが、廃止になった後もそのまま放置されていると噂でした。では廃止から約一年、どうなっているかと言うと……

冬のシーズンに停車すると勘違いされるのを防ぐためなのか、プラットホームは撤去されていました。しかし駅舎は筒抜けの状態でそのまま残っており、中にあるベンチもそのままでした。これはいつか撤去されるんでしょうか……?

 

最後の途中停車駅である白馬駅でも複数人下車し、いよいよこの時点で乗っているのは大半が同業者らしき人ばかりになってしまいました。そして11:45……

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南小谷駅到着!!

あずさ3号完全乗破!!!!!

 

千葉駅を発車して5時間7分、定刻通り南小谷駅に停車し、無事「あずさ3号」の旅は終わりを迎えました。中央本線を走る特急はどれも同じ形式になり車両の特別感は薄いとはいえ、この中で午前中ずっと過ごしてきたと考えると感慨深いものがありますね。

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ここまでありがとう

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本当は南小谷駅舎も撮りたかったんですが、大糸線完乗を果たすべく糸魚川行きの普通列車に乗り換える必要があったので撮れずじまい。まあ別にこの駅舎がすぐ無くなる訳でもないし、また来た時に撮るとしましょう。

 

終わりに

気の向くままにつらつら書き綴っただけで推敲とかもしてないので読みづらかったかもしれませんが、ここまで読んでいただきありがとうございました。このような長距離運用列車は特急・普通にかかわらず興味があるので、今後も機会を見つけて乗っていきたいですね。

ちなみに、14日以降の「あずさ」の最大走行距離は新宿~南小谷の295.2kmとなり、300kmを切ってしまいます。300kmを超える運用を持つ特急は現時点で「あずさ」も含めて丁度10種類、14日のダイヤ改正以降は常磐線を走る「ひたち」が仙台まで直通するようになり最大走行距離が300kmを超えるようになるため、「あずさ」は最大走行距離のトップ10から陥落することになります。しかし依然として長距離の運用は残るので、長距離列車愛好家の皆さんは今後も「あずさ」に注目していきましょう!